流沢 圭(NagaresawaKei)の投稿作品一覧
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海を越えて届く音は
誰かの想いを乗せた風 響くよ
溢れる雨頬を伝う
心を持つ波がこの胸強く打ちつけるから
僕らは独りじゃないと
あなたは静かに教えてくれた
閉じかけた翼広げ
届く想いを辿って誰かのもとへ…
空を渡り響く声は
誰かの心に伝わると願うよ...伝えたい
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眩しさに目を細める人
その手にはひとつの種
咲かせたい花思い起こし
そっと大地へ蒔きます
大空さえ埋め尽くすほどの
色とりどりの花を見たくて
精一杯の愛を込めて注ぐ虹の雨
溢れ返るその想いを受け
種も芽を出してくれるでしょう
澄み渡る青の歌を糧に大きく育て...青の恵み
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静かに微笑む空の息吹
絶えゆくことなど知らないまま
旅往く翼を羽ばたかせて
囁き贈るは祈りの唄
その旋律、言葉を聴く魂は踊る
終わりのない廻りをまた繰り返すの
ふとつふたつと空へ舞う
そぼ降る雨音奏でるように
織り成す調はどこへゆくの
誰もが知らない世界を知る...音の舞
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目覚めたらあなたを描いて
人知れず愛をあたためる
今日もまた声が聞けるなら
それだけで私は幸せ
そんな恋ならばしないほうがいいと
笑われるかもしれないけど
それだけでいいの
痛みを伴うその心は
私一人だけのもの
描くいとしあなたの姿を...ささやか恋うた
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冬の終わりを謳うのは
小さな緑の息吹
春と色付く山肌は
ぬくもりに充ちている
鮮やかな囀りを
聞き届けるのは誰と
訊ねても応えなど
昔から決まっている
東風(こち)の吹き初(そ)め祝うのは
水面(みなも)を揺らす影たち...彩る刻(とき)
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終わりのない廻(めぐ)りを知る
誰かの歌声が宇宙(そら)に響いた
滲む涙落とさないで
拾い集める小さな手
どうか絶やすことなく
壊れそうな世界でも
繰り返すものが必ずあると
風に紛れて聴こえた
そんな気がして微笑む
涙の謡(うたい)...ナミダ乃ウタイ
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気付いたその時には
森だけが世界だった
哀しみは知らぬまま
ただひとり暮らしていた
幼子はひたすらに生きてく
茂る樹々に見守られて
愛を知ることもないまま
静かに過ぎゆく日々は
長くも短くもなく
ふとみれば夜が訪れ...森ノ子
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明かりが満ちる山麓には
命の泉があるという
言い伝え聞く詩(うた)を秘めて
若人が今旅に往く
魅せる木漏れ陽は穏やかに
唸る澤風は勇ましく
過ぎてゆく
進め進め追い求めて
遠く見えぬあの山
何の為に縋りつくか...ヲフモノ
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目蓋開き空を見よう
限りない眩しさを纏う
太陽が在る
口を開けて叫びだそう
その想い誰かに必ず
届いてくれる
漣に乗る慟哭の群れが
浜へと集う者へ押し寄せる
行こう その手を取って
走り出せばみえてくる...希望の在処
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木漏れ陽を踏みながら
旅する人はただ仰ぐ
緑の先にあるは
途切れた雲の連なり
誰しも通わぬ道
掻き分けあの樹の元へ
訊ねるは古(いにしえ)の
今と変わらない姿
聴こえるざわめきは何処から
見渡しても見え隠れ...宿杜
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めぐりあう為に生きてきた
ふりかえる事も無いままに
どれほどの時が過ぎたのか
わからずも涙は流れる
どんな姿でも
愛でる手は同じ
共に年老えなくてもいい
せめて今だけは…
出逢いの数だけ別れがある
それは哀しき宿命(さだめ)と...萬年のヒト
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風に散る花びらは願う
次もまた咲き誇りたいと
翔び回る蟲は夢をみる
あと少し永く生きたいと
すべての想いを知る風は祈る
穏やかなその囁き声
届きますように
唄えや踊れや誘(いざな)われて
調べ織り成すは宴
天つ空に轟く詠み声...祈り風
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はらはらと落ちてゆく花が
叶えたいことは何ですか?
翅鳴らし翔んでゆく蟲が
夢をみたことは何ですか?
想い達を絡めた
風は何処までも吹く
星が廻り続ける限り
終わらない旅路
花よ、蟲よ、望みがあるなら
願う それこそが全て...願い風
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木枯らしを受けて飛び立つ
冬鳥の群れは風の道
舞い落ちる枯れ葉は踊り
冬を告げる唄を奏でる
冷たくて寂しい空も
雪の華が慰めてくれるから
だから君よ俯かずに
窓を開けて見上げてごらん
大地踏んで眺めてごらん
美しい景色があるから...冬の涙
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明かりが滲み出るあさぼらけ
醒めた眼に映る広い世界
今日も何処かで泣き笑う君
探しみつけたら呼び合おう
昼間昇る白い月眺め
あれは幻だと微笑んだ
誰かの言葉を信じるなら
今宵真(まこと)の月を見よう
沈む陽を眺めてつらつらと
伝う頬の涙清らかに...ひねもす晴天歌
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月影が眠りゆく
冷たさ舞う暁
灯火途絶えても
わずかな刹那だけ
瞳を閉じてもなお
瞼を擦り抜けてく
輝きいつまでも
大地を照らすのだろう
このめまぐるしい世界で
変わらずにあるもの...宇宙(そら)の讃歌
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色づいた
路面に埋まる
花もほのか
匂いかすめる
朗らかに
平地も撫ぜる
遠くの風
散りばめてゆく
凛とたつ木々草花
濡れては還り...イロ葉ウキ世
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優しさに溢れた姿
胸の奥へ入り込んでく
その日から眺める君は
頬を紅く染めさせるんだ
たとえこの糸が繋がることなくても
幸せになれた想いせめて知ってて欲しい
手に包める程の小さな鉢に
咲く花一輪植えて君の元へ
高鳴る鼓動が雑音を消して
愛しい人への道をささやく...せめてこの花を
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降り積もる凩の雨
淋しそうな音を奏でる
風吹いて空回りした
落ち葉の群れ最期も笑う
やがて砕け散るその身は糧となりて
染み込んだ土は栄え楽園へと変わるでしょう
気が付けば降る雨は雪に変わり
辺りを冷たく染め尽くしてしまう
白銀の華が空を飾る時
大地の御園も開花するでしょう...SEASON
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ある日 目が覚めて「ここはどこ?」
惑い 不安に駆られて泣く
君は へたり込んで辺り見回す
救い求めて伸ばした手が
掴んだのは枯れ葉ばかりで
右も左もわからない さぁ、どうする?
とにかく立ち上がって
そこから動き出さなくちゃ
何も始まらないよ
電話も繋がらない...狭間のセカイ
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花を愛でるその手には
どれだけのぬくもりが
全てを包む空には
どんな優しさがあるの
誰もがその答えを求めて
歩いていく世界は満ちている
物語を君はどんな色に染めて進める?
その手に受け取った花びらの色さえも
混ぜ合わせて
風に乗る雲の流れ...その花の名は、
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つらつらと降る空の涙
暖簾のように風をまとう
茂る山々恵みを受け
緑の薫り漂わせる
カタチのない糸が紡がれ
織り成される透明の波
自由に舞う
天から大地の頂へ
落ちて溢れて河となる
この手に掬えるだけの愛を...うみからそらへ。
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飢えた大地に恵みの雨を…
叫ぶ風間に命の声を…
溢れる水面には空模様
揺れる葉たちが見上げている
無数の粒が我先に昇り
浮かんで消えては育んでゆく
海をとび出した魂よ
燃え盛る太陽を浴びて 息をする
生まれ 芽吹く 緑ヶ原
翔んで とまる 蟲たちの羽音...HaGuKuMi
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雨が遡る空
モノクロの景色がうごめく
息を止めた者たち
何も言わずただ従うだけ
聞こえくるのは誰かの手で
カラカラ回る刻(とき)の歯車
巻き戻されてく流れの果てには
望んだ可能性がある
さあ 求めた過去で
塗り替えて歩み直そう...幻の溯雨
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風の道渡る花びら
酔いしれ鳥宴に踊る
誘われる朧満月
万華鏡へ吸い込まれてく
鮮やかに散りばめられた欠片を追い
拾い集めたらそれは夢の楽園景色
咲き誇れ散り様さえ美しく
世界を彩る小さな花びらよ
そしてまたこの大地に芽吹くまで
風音奏でて祈りを唄え...花鳥風月万華鏡
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青い空から降る雨は
虹を纏い通り過ぎてく
温もりをくれるのならば
沈み過ぎた心にも降れ
手を伸ばし掴み取れる光があると
誰かが教えてくれた夢のような現を
願うなら涙拭いて立ち上がれ
嘆いて叫んだそれだけじゃ足りない
翔ぶ鳥のような翼を拡げて
闇空越えてく強さを胸に・・・...虹の雨
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A
あてもなく踏み出したその足を
僕はどこへ向けるつもりなのか
わからないけどただ確かなのは
狭い檻から出たかったってこと
A
友達と遊ぶって嘘ついて
覚えのある道ばかりを進む
それはきっと心のどこかでは
迷子になるのが怖かったから...家出してみたけれど
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音引く夜を待てば 銀色の浜が啼く
咎人は耐えきれず 暗い海へ飛びこんでゆく
見えなくなる月の糸たどる魂
界面まで昇れたら生まれ変われる
黒き翼はやがて 穢れなき白になる
許された者たちは 改に知る全てに愛を…
時が流れその度に染まる背の羽根
誇らしげに広げては海原を翔ぶ
常しえに 続く空で
風を受け...ナニイロツバサ
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待っててねと告げて行った
君はまだ戻ってこないけど
きっと元気で過ごしてる
だって空が笑ってるから
星を数えて眠りに就く日々を
繰り返してる
いくつ季節がめぐっても
私は君をずっと待ってる
たとえあの空が泣いても
笑顔で君を待っているから...待ってるよ
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部屋の窓から外を見た
けれど暗くて景色は見えず
曇り空だけが灰色を
ほのかに映しだしてる
それはまるでセピアの写真のように
錆びた鉄釘たちのように
忘れられやすいけれどそこに確かに在るよ
造られたものには意図があるけど
なるがままの風景にはどんな意味がある?
答えなら心の中にそれぞれ持っているよ...明日の景色