ブクマつながり
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月曜日。普段と同じように起きだした俺は、普段と同じように朝食を取り、学校へと出かけていった。いつもと同じ時刻に学校に着き、昇降口で靴を履き替えて、校舎に入って教室に行く。
教室に入った俺は、いつもの癖でリンの席を見てしまった。リンは大抵俺より先に来るので、俺が教室に入ると、自分の席で本を読んでい...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十二話【マネシツグミを殺すな】
目白皐月
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もうリンをあっちに置いておけない。そう考えた俺は、姉貴にそう伝え、リンには、「心配している」という内容の手紙を書いて送った。ことは簡単に運ばないのはわかっていたが、何もせずにはいられなかったんだ。けど、リンからの返事は来なかった。手紙を書くこともできないほど、辛いらしい。
じりじりするうちに時間...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十九話【最悪の日々は終わりを告げて】
目白皐月
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ずっとリンと抱き合っていたかったけれど、そういうわけにも行かない。明るくなったら、誰かに見つかりやすくなってしまう。だから、俺は暗いうちにリンの家を出ることにした。
脱いだ服を身に着ける俺を、リンは泣きそうな表情で眺めていた。そんな顔しないでくれ。
「リン、俺はもう行くよ」
引き伸ばすと、余計...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十六話【分かれた道】
目白皐月
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帰宅すると、靴脱ぎに姉貴の靴があった。……あれ? 今日姉貴、仕事だよな? なんで家にいるんだ? 居間を覗いてみるが、誰もいない。
俺は買ってきたものをとりあえず冷蔵庫にしまうと、二階に上がっていった。姉貴の部屋のドアの前に立って、叩こうとした時、中から姉貴の声が聞こえて来た。
「ああ……まあ、そ...アナザー:ロミオとシンデレラ 第三十九話【心を決めて望むことを】
目白皐月
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クオと初音さんが昼食を薦めてくれたので、昼は初音さんのところでご馳走になった。二人とも、気が咎めているらしい。二人のせいじゃないんだが。って、今日はこんなことばかり考えているな。
昼を食べ終えると、俺は帰宅した。心の中にがらんどうの場所ができて、そこに風が吹き込んでいるような気分だ。……平たく言...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十一話【塔の中の姫君】
目白皐月
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演劇部の連中に、学祭は抽象的な演出で『ロミオとジュリエット』をやることにに決めたというと、反対意見もなく、あっさり決まった。一点を除いて。
まあ平たく言うと、部長が部を私物化するのはどうかという点だ。これは確かに言われても仕方がない。話し合った結果、文化祭は二日に亘るので、主役はダブルキャストに...アナザー:ロミオとシンデレラ 第五十六話【それは自然で不思議なもの】
目白皐月
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俺が帰宅してからしばらくして、クオから携帯に電話がかかってきた。
「……もしもし」
取った電話の向こうで、クオが黙り込む。……おい、お前の方からかけてきたんだろ。
しばらく待っていると、ようやくクオが口を開いた。
「レン……今日のことは悪かったよ」
巡音さんにバカをけしかけたことを言ってんの...アナザー:ロミオとシンデレラ 第三十六話【どうかここにいて】
目白皐月
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十二月の二十八日、俺は自分の部屋で掃除をしていた。いわゆる、年末の大掃除、という奴である。普段から掃除はしているんだが、家具を動かしてみると、見たくないぐらい埃は溜まっていた。誰でもいいから、埃が溜まらない装置とかを発明してほしい。
「レン~、捨てる本くくって出しといて~」
下から母さんの叫ぶ声...アナザー:ロミオとシンデレラ 第五十二話【ハッピー・ニュー・イヤー】
目白皐月
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六月の最後の日曜日、わたしはレン君とのデートの待ち合わせ場所にいた。今日の行き先は美術館なので、お母さんには「美術館の展示を見に行ってくる」と言ってある。
もう、六月も終わり。時間が過ぎるのが、なんだか早くなったように思う。……特に、レン君と一緒にいる時間は早く過ぎるように感じてしまう。
七月...ロミオとシンデレラ 第六十四話【育ちは誰よりも上】前編
目白皐月
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
外伝その四十【夜更けの出来事】のレン視点のエピソードになります。
また、外伝その三十九【家族の定義】のネタバレを含みますので、そこまでの話を読んでから、読むことを推奨します。
【心安らかなる時を】
夜、俺は居間で雑誌を読んでいた。...ロミオとシンデレラ 外伝その四十三【心安らかなる時を】
目白皐月
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思い余った私は、ガクトさんに電話をかけてしまった。といっても今は仕事中だから、「時間が空いたら少し話がしたい」とあらかじめメールをしてからにする。ガクトさんからはすぐ電話がかかってきた。
「どうした。ルカ、何かあったのか?」
「あ……その……今、時間いいの?」
「ちょうど一区切りついたところだ。心...ロミオとシンデレラ 外伝その四十八【嫉妬は愛の子供】その四
目白皐月
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あ、レン君の話はまだ途中だったんだ。わたしったら、自分のことにかまけてばっかり。
「ええ……ごめんなさい、遮ってしまって」
わたしがそう答えた後、レン君はまたしばらく黙っていた。言いにくい話みたい。安心したのに、また心の中に不安が広がっていく。
「……家族と話し合って決めたんだけど、俺、しばらく...ロミオとシンデレラ 第六十九話【まだ諦めてはいけない】後編
目白皐月
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言われた意味を理解するまで、またしばらくかかった。カードの文章は、ミミがロジャーに気持ちを告げるところのもの。ずっと愛していたって……。
それって……レン君がわたしを好きだってこと? ロジャーがミミを好きなように? いえ、台詞はミミだけど……いやだ、なんだか頭が上手く回らない。
心臓の鼓動が早...ロミオとシンデレラ 第五十四話【もつれた糸玉】後編
目白皐月
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レン君が演劇部の人たちに話をしたところ、異論を挟む人はいなかったとのことで、『ロミオとジュリエット』に決定した。グミちゃんも「あたし、悲劇のヒロインって一度やってみたかったんです!」と、役に積極的だったので、わたしはほっとした。
ミクオ君もマーキューシオ役に決定した。これでミクちゃんが喜んでくれ...ロミオとシンデレラ 第六十一話【死ではなく愛】
目白皐月
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俺は電車を乗り継いで、初音さんの家に向かった。前に来たから道は憶えている。インターホンを押すと、クオが出てきた。
「レン……どうしたんだその顔」
途中で確認したが、殴られたところは腫れていた。当分目立つだろうなあ、これ。
「初音さんは?」
「奥にいるぜ、入れよ」
クオに言われるまま、奥の部屋に...アナザー:ロミオとシンデレラ 第五十九話【アモール・プロイビード】後編
目白皐月
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向こうに行く準備が整うまでの間、俺とリンは、俺の家で過ごすことになった。すぐにでも発ちたかったけど、やらなければならないことがある。姉貴も交えてどうしたらいいかを話し合い、次の日から行動を開始した。
俺と一緒に向こうで生活するとなると、当然、今の学校は辞めなくてはならない。相談の結果、リンは向こ...アナザー:ロミオとシンデレラ 最終話【この瞬間よ永遠なれ】
目白皐月
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ホームシアタールームで、わたしたちは、ミクちゃんが選んだクリスマスが題材のラヴコメ映画を見た。ミクちゃん好みの、可愛くて楽しくて、そして少し心が温かくなるような、そんな映画だ。
映画が終わると、わたしたちは食堂に移動して、みんなで一緒にお昼を食べた。クリスマスだからなのか、食卓も綺麗に飾りつけて...ロミオとシンデレラ 第五十四話【もつれた糸玉】前編
目白皐月
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気づいてみると、その事実はなんとも単純で……でも、だからこそ、俺は対応に困ってしまった。
リンのことが気になっていたのも、自分の活動にリンを巻き込んだのも、自分らしくないと思いながらもリンの力になろうとしたのも、リンに抱きついたコウにどうしようもなく腹が立ったのも、何かある度に触れたり抱きしめた...アナザー:ロミオとシンデレラ 第四十六話【マイ・シンデレラ】
目白皐月
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初音さんたちが戻ってきたので、俺たちは一緒にオペラ『チェネレントラ』を見た。リンの言うとおり、確かに喜劇だ。音楽は終始明るいし、歌もそう。出ている歌手の人たちもコミカルに動くし、ギャグも入っている。早口言葉みたいな歌の応酬も楽しい。……ところで、お菓子の箱に賄賂を隠すのって世界共通なのか?
話の...アナザー:ロミオとシンデレラ 第五十話【決して手を離すことはない】
目白皐月
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「巡音さん、大変よくできていますよ」
大学の先生はそう言って、わたしが渡した原稿を置いた。
「ありがとうございます」
「じゃあ、これ、次の分ね」
どさっとプリントが渡される。わたしはそれを、自分の鞄に仕舞った。
「できたら来新学期が始まるまでには仕上げてもらえる?」
わたしはかかる時間を計算し...ロミオとシンデレラ 第七十三話【わたしの望みは大きすぎるの?】
目白皐月
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
カイト視点で、外伝その二十四【母の立場】の直後の話となります。
したがって、それまでの話を読んでから、お読み下さい。
【それぞれの形】
なんであんなこと、言っちゃったんだろう。
めーちゃんからの電話を強引に終わらせた後、僕はひた...ロミオとシンデレラ 外伝その二十五【それぞれの形】
目白皐月
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ずいぶんと時間が経過したように思えたけど、実際はそうでもなかったんだろう。とにかく警察がやってきて、ソウイチさんは連行された。もう大丈夫と言われたので、わたしとハク姉さんも部屋の外に出る。わたしの姿を見たお母さんは、蒼白になって駆け寄ってきた。
「リン!」
わたし、きっと、ひどい姿なんだろう。鏡...ロミオとシンデレラ 第七十五話【生と死の狭間で】後編
目白皐月
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わたしが大学に入学した年の六月、ルカ姉さんはガクトさんと結婚した。こっちの家に入る形になるので、ガクトさんの方が巡音の姓を名乗ることになる。
こういう家だから仕方がないけれど、大きな式場で、かなり派手な式になった。そしてお母さんに訊いてみたのだけれど、ルカ姉さんは結局、式に対して自分の希望は全く...ロミオとシンデレラ 第七十二話【滅びにいたる門は大きく】
目白皐月
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どう言おうか考えながら、リンを見る。と、また表情が翳っていた。あ……まずい。なんか誤解させたみたいだ。
「ね、ねえ……ぬいぐるみに名前を付けて、お友達として扱うのって、子供っぽい?」
俺が口を開くより早く、リンの方がそう訊いてきた。え? どうやらリンは、自分がぬいぐるみに名前を付けて、相手が心で...アナザー:ロミオとシンデレラ 第四十九話【言わなくてはならないことがある】後編
目白皐月
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この週のうちに、戯曲に関する作業は全部終わらせることができた。ほっとした半面、淋しいと感じてしまう自分がいる。レン君と一緒に作業をしたことが、とても楽しかったから。もっとこの時間が続いてほしいと、わたしは思ってしまった。……でも、そういうわけにはいかない。きちんと終わらせないと、向こうが次の段階に...
ロミオとシンデレラ 第四十五話【裸の王様】
目白皐月
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四月七日
今日から二年生です。クラスがえがありました。たんにんの先生も新しくかわりました。
二年生になっても、しっかり勉強していい子にしていようと思います。
さいきん、パパとママはけんかをしなくなりました。いいことです。けんかはうるさいからきらいです。これで、パパがもっと早く家に帰ってきてく...ロミオとシンデレラ 外伝その十二【ルカの日記】後編
目白皐月
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巡音さんは同じクラスなわけだから、何かというとその姿は俺の視界に入る。授業を受けているところや、初音さんと話しているところ。俺は何度となく、その姿を目で追ってしまっていた。……いったい何をやっているんだ、俺は。下手をしたら俺の方が危ない奴だぞ。
そうこうするうちに放課後になった。初音さんが手を振...アナザー:ロミオとシンデレラ 第三十四話【馴染んだ君の姿に】
目白皐月
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「もういいこいつは埋める!」
「あ、手伝うわ」
「レン、落ち着けっ! 蜜音も煽るんじゃない!」
クオが俺の制服をつかんだ。なんで止めるんだよ。こいつは埋めた方が世の中のためだぞ。
「あのなあコウ、好きでもない男に抱きつかれて喜ぶ女の子なんかいないんだよ。グミがああ言うのは、グミが俺のことを好きだか...アナザー:ロミオとシンデレラ 第三十三話【見てもいいが触るのはいけない】後編
目白皐月
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放課後、俺は初音さんと一緒に初音さんのところの車に乗せてもらって、リンの入院している病院へと向かった。車だとさすがに早く、割とすぐ病院に着いた。
初音さんはさっさと病院の中に入っていくと、受付の人と話し始めた。しばらくすると、こっちに戻って来る。
「リンちゃん、311号室だって」
エレベーター...アナザー:ロミオとシンデレラ 第四十二話【それが多分たった一つのできること】後編
目白皐月
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すまん姉貴、説得にちょっと利用させてくれ。姉貴がどう考えているのかなんて、例によって知らないけど。
「わたし、どうしたらいいの?」
「巡音さんは、初音さんや俺と一緒にいたくないの?」
ちょっと意地悪な質問かな……いや、仕方がない。大事なのはどうしたいかなんだ。
「……一緒にいたいわ」
ようやく...アナザー:ロミオとシンデレラ 第四十話【ボーン・トゥ・フライ】後編
目白皐月
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その次の日、夫は遠出する必要があるとかで、朝早く起きてきた。そしてあわただしく朝食を食べると、ルカを連れて出かけてしまった。その前に、リンを今日と明日は外出禁止にしたので外へ出すなとだけは言っていったが。……そういうことだけは、いつも忘れない。娘の誕生日を憶えているかどうかすら、怪しいのに。
普...ロミオとシンデレラ 外伝その十一【ほんの少しの優しさを】後編
目白皐月
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十二月二十四日、俺はリンへのプレゼントを鞄に入れて、家を出た。風は冷たいが、空は綺麗に晴れている。……まあここ、東京だしな。クリスマスに「ほら、雪が降ってきた」なんてのはありえない。ニューヨークじゃないんだ。
電車に乗って、クオの家に向かう。相変わらずでかい家が視界に入った時、車が一台俺を追い抜...アナザー:ロミオとシンデレラ 第四十八話【クリスマス・ベルズ】
目白皐月
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昨日見た夢が頭に引っかかっていたせいか、今朝の目覚めはすっきりしなかった。また、妙な夢を見なかったことだけが幸いかもしれない。夢の中とはいえ、巡音さんの翼を折るような真似はもうごめんだ。あんな風に泣いてほしくない。誰かが泣くのを見て楽しむなんて精神は、俺には理解不能だ。
学校に着いて教室に入ると...アナザー:ロミオとシンデレラ 第三十七話【それは普通でなくはない】
目白皐月
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次の日、わたしは『ピグマリオン』を鞄に入れて登校した。鏡音君が登校してきたので、本を渡す。本を受け取った鏡音君が喜んでくれたので、わたしは少し安堵した。少なくとも、一つはいいことができた。
その日の昼休み、いつものようにミクちゃんとお弁当を食べていたわたしは、ふと思い立ってミクちゃんに訊いてみた...ロミオとシンデレラ 第二十八話【わたしには姉さんがわからない】
目白皐月
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初音さんは自宅まで乗せてってあげると言ってくれたが、そこまでしてもらうのはさすがに気が引けたし、考えたいこともあったので、俺は一人で帰宅することにした。
電車に揺られながら、俺はリンのことを考えていた。怪我のことはもちろん心配だが、今日見た限りでは元気そうだった。多分、数日で退院できるだろう。
...アナザー:ロミオとシンデレラ 第四十三話【君に出会ってからは旋風のようで】
目白皐月
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グミヤの話を聞いてから、俺は改めてどうしたらいいのかを考えた。
今までと同じ……でも、表向きは不都合はない。俺たちは仲のいい友人で、一緒に本や音楽の話をする。リンは今までと同じように、接してくれるだろう。
けど……客観的に見て、リンは可愛い。リンにいらないちょっかいを出す奴が、また出てる可能性...アナザー:ロミオとシンデレラ 第四十七話【川より深く、山より高く】
目白皐月
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昼は初音さんとクオと合流して、四人で取った。二人とも午前中ずーっと絶叫マシンに乗っていたらしく、なんというか、ハイになっていた。人はあの手のものでもハイになれるらしい。
ついでなので、クオにグミヤたちと会った話もしておく。クオもあの二人がつきあっていたのは初耳らしく、驚いていた。
「へえ、グミヤ...アナザー:ロミオとシンデレラ 第二十一話【ここにいるよ忘れないで】
目白皐月
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わたしはどうして、生きているんだろう。
たまに、そう思ってしまう時がある。そういう風に考えるのはよくないのだろうけど、自分が生きているのが不思議に思えることがあるのだ。
部屋に閉じこもって、ミミを膝に抱いて撫でながら、ぼんやりとする。ソウイチさんに殴られてからというもの、わたしはそんな風にして...ロミオとシンデレラ 第七十七話【水晶の心が砕ける時】
目白皐月
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リンは家のことがあるので、つきあうといってもあまり派手なことはできない。とはいえ、できる限りは一緒に過ごしたい。俺はリンと相談して、昼食を一緒に食べることにした。急に二人きりになるのにはクラスの目があるので、初音さんとクオも一緒だ。クオは当初むくれていたが、数回でなれた。それになんだかんだ言って、...
アナザー:ロミオとシンデレラ 第五十三話【エンチャンテッド】
目白皐月
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「リン、あんた、結婚式あげてないでしょ」
わたしたちがお母さんを見舞ってから、半年が過ぎていた。お母さんの状態はあまり良くないらしく、わたしはニューヨークで仕事をしながらも、心配で胸が潰れそうな毎日を送っていた。
そんな中、突然ハク姉さんが電話をかけてくると、真っ先に言ったのが、上の言葉だった。...ロミオとシンデレラ 外伝その五十一【人生を愛で計ろう】後編
目白皐月
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-序-
さあ、物語は今からずっとずっと昔。貴族の服がいっそう華やかになったころ。
悲しくも哀れ、そして狂おしい一生をたどった、美しい双子の物語。
彼らは望まれずに祝福の光を浴び、生まれてきました。何も知らぬ民衆からは喜ばれ、両親には望まれぬことなった、過ちを犯...悪ノ物語 -序-1
リオン
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調子に乗るなバカ!
<こっち見ろBaby!>
丁寧に髪の毛を梳いて、リボンの位置を直す。いつもと違う髪型って、どうしてこう変な感じがするんだろう。
っていうかこれ、私に似合ってるのかな。
もしかしてあのバカの言葉に踊らされてるだけなんじゃないの?私が都合良く勘違いしちゃっただけとか。
...こっち見ろBaby!
翔破