ブクマつながり
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「生きていてごめんなさい」
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あの惨劇から数ヶ月。
私は町外れの教会で新たに暮らし始めた。
静かな教会。教会の近くには小さな港が有るが、余りそこに人は近寄らない。風が強いからだという。
そんなある日、革命で王女が死んだと風の噂で聞いた。
―当たり前だと思った。
今まで黄の国の国民を苦しめ...白ノ娘 ―4―
haruna
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これは、人柱アリスの「夢」がもしカイトなら。
と思ってかいた小説です。
1.メイコ。2.ミク。3.リンレン。4.カイト
の順でかいていこうと思います。
それでは、どうぞ。。。
「ようこそ…アリス」
「!…あんた、誰!」
「僕に名前なんてないよ。でも、そうだなぁ…呼び名がないと不便だし
……カイト。僕...カイトがもし人柱アリスの夢ならば。メイコ編
にぱ(元:狼ひめ)
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-序-
さあ、物語は今からずっとずっと昔。貴族の服がいっそう華やかになったころ。
悲しくも哀れ、そして狂おしい一生をたどった、美しい双子の物語。
彼らは望まれずに祝福の光を浴び、生まれてきました。何も知らぬ民衆からは喜ばれ、両親には望まれぬことなった、過ちを犯...悪ノ物語 -序-1
リオン
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「…レン?」
双子の弟の名前を呼びながら目を覚ます。あるはずの亜麻色が見当たらない。隣で寝ているはずのレンがいない。
「レン…?」
真夜中。外には半月。布団には私の温もりしか残っていない。
「レン…っ」
跳ね起きた。慌てて部屋を飛び出す。
着慣れないドレスの裾がまとわりついてくる。肩を露わに...思春期の歌声【リンとレン】
西の風
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開店時間のほんの少し前に森はコックコートに着替えて髪をひとつにまとめて、厨房に立っていた。
「おはようございます。」
先に作業をしていたスタッフの女の子のあいさつに、森もおはようございます。と声をかけながら、手を洗った。
先に作業していた女の子は最近入ったばかりの専門学生だった。短い前髪に小柄な...Cafe・ロータス・イーター 1
sunny_m
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この物語は、一人の少年と手違い(?)で届いたVOCALOIDの物語である。
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やっとだ。
息を大きく吸って、吐く。
そして、
「やっと届いたああ!」
と、思いっきり叫んだ。
隣の住民からうるさいぞーと、声が聞こえた気がしたが、気にしない。
やっと、届いた!VOCALO...【到着】二人三脚-1- 【えっと、お前誰?】
ティーヴ
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綺麗にカールした睫に縁取られた、アーモンド形の黒目がちの瞳。形の良いアーチ型の眉に筋の通った鼻。口角の上がった唇は果物のように甘くてつややか。手入れの行き届いた長い髪はトレードマーク。まだ幼さのある輪郭に、少女と大人の境目を行き来するうなじ。細い肩にすらりと伸びた華奢な手足。ちょっと胸元が貧弱なの...
Cafe・我侭姫と無愛想王子・1~WIM~
sunny_m
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スペードアリス
学校の図書室で、ルカはその絵本を開いた。最近学校内で噂になっている、図書館の古ぼけた分厚い絵本である。茶色の絵本の表紙には「トランプアリス」と書かれている以外、挿絵もなければ飾り文字もない。
このところ、学校内で怪事件が続いている。
学年も性別も年...絵本世界とトランプカード 1
リオン
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「メイコさんっ」
五月五日の昼食後。居間で食事を終え、部屋に戻ろうと廊下を歩いていたところ、唐突に背後から呼び止められた。
「カイト?」
駆け寄ってくる足音に振り返る。声で分かった。呼びかけてきたのは青い髪の「弟」だ。私の間近で足を止めて、じっと私を見つめてくる。
頭ひとつ高い「弟」のカイトを...メイコの日【カイメイ】
西の風
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-声-
声が――。
何故、誰かがこうなるように仕向けたのか、ショックによる一時的なものなのか、一生戻らないものなのかもわからない。ただ、レンはその闇の中で目を覚ますことはできなかった。いや、目を覚ましたくなかった。目を開いた瞬間にこの生活が音を立てて壊れてしまいそう...鏡の悪魔Ⅲ 8
リオン
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Lied~青い瞳の死神~
「Traum」
私は『幸せ』になりたい。
誰だって『幸せ』を望むものでしょう?
あの貧しい生活になんかもう戻りたくない。
私は『幸せ』になりたかっただけ……。
私は大きな街の中にある小さな酒場の歌姫。
華やかな容貌。美しい歌声。
今宵もしがない男達に夢を売る。...Traum
氷雨=*Fortuna†
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この作品には、かの Oster project さんの名バラード、『片想イVoc@loid 』の歌詞を(勝手に)引用させて頂いております。
素晴らしき作品に、敬意を表して。
【カイトとミクのお話11】 ~ 受難曲(パッショーネ)・ 後篇 ~
時給310円
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暗闇の空、降り頻る冷たい滴、雨。
しかし、それとは対照的である商店街の雑踏の中を、俺は足早に進んでいる。
人々の話し声、波打つ雑踏、どこからとも無く流れ来る音楽。
焦燥する俺のことなど気にも留めない商店街は、相変わらず疲れを知らないような賑やかさで沸き立っている。
首を回して視界を巡らせ、...I for sing and you 第一話「雨天の迷子」
FOX2
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後悔したいと思いながら生きる人は、あまり居ないだろう。
ほとんど全ての人は「後悔する人生だけは送りたくない」と思いながら生きているはずだ。
にも関わらず、この世に後悔と無縁でいられる人間など、一人として存在しない。最良の選択をしたはずなのに、最悪の結果に打ちのめされる事だってある。
この時もそうだっ...【カイトとミクのお話10】 ~ 受難曲(パッショーネ)・ 前篇 ~
時給310円
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-紺-
暗い青の空を見上げ、レンはため息をついた。
今は午後二十三時五十分。あと十分で、こちらの世界から魔界へと連れ戻されて、もうリンたちには会えなくなってしまう。
窓を大きく開け放し、夜風を胸いっぱいに吸い込んで一気に吐き出し、顔を窓の外にぐっとつきだしたら頬や...鏡の悪魔 8
リオン
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-記憶-
まただ。
また、真夜中に目を覚ましてしまう。
昨日もそうだった。けれど、ベッドから動こうという気持ちになるほどではなかったし、疲れていたからそのまま眠れるだろうと思って、ずっとベッドの中にいたからあんなふうになったのだろうが、まあそれとこれとは別の話だ。起き...鏡の悪魔Ⅲ 5
リオン
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-WELCOME-
「ようこそいらっしゃいました」
門の前で赤黒い可笑しな色の兎が頭を下げた。
「…地獄の入り口へ」
そういった途端、兎の皮がはがれて中にいた“何か”がうごめいてきぐるみを破くと、襲い掛かってくるのだ。恐ろしく歪な何かが。黒くうねうねと動くそれはもは...鏡の悪魔Ⅱ 2
リオン
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-不満-
――何も。
可笑しい、何もおきない。
ただレオンの住んでいるという館に入って、客間に通されるとすぐにリンやレンと同じくらいの年齢であろう、長いストレートの髪の少女が紅茶を入れたポットと四つのティーカップを持ってきた。
怪しいくらいに何も起こらず、初...鏡の悪魔Ⅲ 7
リオン
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-進入-
館へと戻り、レンはリンとランの飛びつき攻撃によって出迎えられることとなった。
「お帰り!遅かったね、レン!」
「もう、リンさんとずっと待ってたんだよ?お姉ちゃんを困らせないで」
楽しそうに言うリンとランを適当に振り払うと、レンは思い切り悪態をついて見せ...鏡の悪魔Ⅲ 2
リオン
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-LETTER-
ある日届いたのは緑色の封筒に入った、一枚の地図と走り書きの便箋だった。宛名もなければ差出人すらも書いておらず、切手も貼っていなかったのだから、自分でわざわざ郵便受けに入れて行ったのだろう。
「何だよ、これ。メイコさん?変な手紙来てますけど」
「えー...鏡の悪魔Ⅱ 1
リオン
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-橙-
勢いだけで発した言葉。
苦し紛れでも、誰かを励ますことはできないだろうか?いや、そんなことはない。たとえ目に見えた変化がなくとも、その言葉に何かを感じ取ることは出来るのだと、わかったのだ。少しだけ微かに微笑み、レンは目を閉じた。
「…君もこんな風になりた...鏡の悪魔 10
リオン
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-青-
響いた銃声は、屋上から聞こえたもので、月で逆光となってリンにはそれが誰なのか分からなかったが、少なくともミクとレンには分かったらしく、酷く怯えたような顔をしていた。
「レン、大丈夫?」
「あ、ああ…」
魔法でどうにか動けるまで回復したレンは上半身を起こして...鏡の悪魔 5
リオン
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-接触-
少なくとも、レオンはアンについて何か知っているらしい。あえて追求はしない。レオンは何かを隠し、レンに、そしてランに接触してきているのだ
「嫌な感じがするな」
夕方の六時、鈴は仕方なくアンを探すのをあきらめ、帰路につこうとしていた。隣には今、用を済ませて...鏡の悪魔Ⅲ 4
リオン
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-紅-
二人が夕食を済ませ、随分と疲れも取れたころ、メイコが真剣な面持ちで二人からテーブルを挟んで向かいに座った。
「さあ、本題に入りましょうか。どうしたらいいかしらね、まず、私のほうから話そうかしら。いい?」
「うん」
「はい」
「ここにいるルカは、私の中では二人...鏡の悪魔 6
リオン
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-制御-
鼻に悪そうな薬の臭いで、レンは目を覚ました。
気分は最悪といっていいだろう。真っ白な天井と真っ白な壁に包まれた、白い部屋の中の、白いベッドの上でレンは目を覚ましたのだ。
狭苦しい場所は嫌いだ。一刻も早くここを出て、思い切り走ってみたい。―――けれど、それはい...鏡の悪魔Ⅲ 25
リオン
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-緑-
手紙を持って保健室に戻ったレンは、早速封筒をリンに渡して自分はベッドの横のパイプ椅子に腰掛けた。
「なぁに?これ」
「靴箱に入ってた」
「ふぅん、だれから?」
「そんなこと、俺が知るかよ」
「だれだろう?」
淡い赤の封筒をとても雑に開けて中の便箋を取り出...鏡の悪魔 4
リオン
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-桃-
その後、特によい案も挙がらず、月は沈んで太陽が地平線から顔を出し始める時刻となっていた。
ゆっくりと朝の支度を始めたメイコはまだ、カイトのことを考えていた。どうしたらレンを渡さずにすむかということもそうだが、何故カイトがそこまで変わってしまったのか、それ...鏡の悪魔 7
リオン
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-炎上-
リングノートを閉じた。
日は既に暮れかけ、電気をつけていない部屋の中はキレイな茜色の太陽と同じ色に染まっていた。
気分もだいぶよくなってきて、部屋の中を動き回るくらいなら造作も無いことになり、その辺をとことこ歩き回っては何か無いかと探しているのだが、何...鏡の悪魔Ⅲ 20
リオン
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-傀儡-
部屋の片隅でレンを包み込んだ光は次第に緩やかになってきて、その光もふっと消えてしまった。ふわりと柔らかい光に包まれていたレンは、無意識に目を瞑っていたらしく、そっと目を開いた。何が起こったのかわからず、恐る恐る目を開いたのだ。
(…?)
「…あれっ…あは、失敗...鏡の悪魔Ⅲ 12
リオン
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語り部の悪ノ召使
ようこそいらっしゃいました。このたびお聞かせするのは悪逆非道の王女様に仕えていた召し使いの物語です。
その召し使いは、教会の鐘に祝福され、王女と共に生まれたそうです。しかし、大人たちの勝手な都合で、双子は引き離されてしまい、王女と召し使いとなりました。
召し使いは、王女の命令によっ...語り部の悪ノ召使
文鳥
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※この小説は以下のような内容です。苦手なものがありましたら、
本編はご覧にならないほうがよろしいかと思われます。
■基本設定■
マスターの数だけボーカロイドは存在するという設定で、その中の
とあるマスターのところの、とあるボカロ兄弟たちの話です
ボーカロイドは基本的にPC内に住んでいるはずですが
現...【小説】サンタさんにお願い☆【レン・リン・KAITO】
mileka
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……ねぇ、もしも……もしも生まれ変われるならば
その時はまた……『君』と……。
国中に響き渡る教会の鐘の音。
期待の中生まれたのは、双子の王女と王子。
昔から王家に双子が生まれる事は不吉な前兆と伝えられていた。
大人たちは悩んだ末に、一つの結論を出した。
……祝福されたのは……『僕』だけだった。
『...悪ノ召使を個人的に解釈してみた。
氷雨=*Fortuna†
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語り部のリグレットメッセージ
ようこそいらっしゃいました。ああそうだ、こんなまじないをご存知ですか?願いを書き綴った羊皮紙を小瓶に詰め、海へと流せばいつの日か、願いが叶うそうですよ。このたびお聞かせするのはそんなまじないを信じた少女の物語です。
その少女はまじないを信じて、いつも町外れの小さな港でガ...語り部のリグレットメッセージ
文鳥
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一話
部屋の角には蜘蛛の巣。光はなく、薄暗い。狭く、あるのは酷く汚れた光を運ぶことない窓だけだ。そして極め付けには埃だらけ。どこをどう見ても、生活感がないこの部屋に、人が住むような場所ではないこの部屋に、僕らは確かに、住んでいる。
掃除跡のない床に、埃で覆われていないところが点々と。それは足跡であ...【 】
konnnokai
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ホームに降り、振り返ると丁度電車の扉が閉まった
長い時間過ごしたその電車は、春風を引き連れ次の駅へと走って行った
視界を閉ざしていた電車が走り去ると今度は燦々と陽を浴び美しく輝いて
何処までも続く青い海が姿を見せた
ふわりとした風に、飛びそうになるつばの大きな帽子を押さえる
その風は潮の香りと木々の...【元曲:このり作 花の髪飾り】あの子の探し人《作:神崎遥》
神崎遥
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語り部のRe_birthday
ようこそいらっしゃいました。このたびお聞かせするのは罪に縛られた少年のお話です。
その少年が目覚めたとき、辺りは暗闇に包まれていたそうです。何も覚えておらず、なぜここに居るのかも分からずに。しかし、その部屋の天井に有った、巨大な緑色のぜんまいから響いてきた言葉によって...語り部のRe_birthday
文鳥
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僕らがマスターに会って一ヶ月くらいのことだった
綺麗な湖にキャンプに行った
マスターがテントとかを張っている間
僕らは湖の周りを歩いてた
綺麗な湖だけど底が深くて
溺れて沈んだら死ぬまで浮かんでこないらしい
僕は...泳げないだから気を付けていたけど
リンが足を滑らせて湖に落ちた
とっさのことだった...黄色と水色
ku-yu
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「今日はミクの誕生日ですよ、マスター。」
「......えっ。」
「マスターまさか知らない?」
「ごめん。」
「私の誕生日忘れるなんて。」
「ごめん、お詫びに自爆してくる。」
「えっちょっと、マスター!?」
マスターが急に家から出て行ってしまったので、GPSで生きてることを確認しながら別のとこに行っ...ミク誕
ku-yu
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「ようこそカイト、私はあなたのマスターです。」
「初めましてマスター、これからよろしくお願いします。」
今となってはも何十年も前ののように思えるマスターと初めて会ったとき
今思うとどうしてお互いこんなにも丁寧な口調で話せていたのかと疑問に思う
「ええ、よろしく。カイト。」
別段変わったところの無い挨...リムーバルディスク(F:)-新しいフォルダ
晴れ猫
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-闇と光-
緑のショートへアーと黄色い服装から想像されるものは唯一つ。
「…パイン?」
「初対面でそれ、よく言えるね」
「いや、ごめんなさい。ただもう…そうとしか見えなくなってしまって…」
「ちょっとそこに目ぇ瞑って立っていてください。首をスパッとやっちゃいますから...鏡の悪魔Ⅲ 14
リオン
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誇りと覚悟
メイコ率いる民衆は足止めを食らっていた。数人の兵士が槍を交差させて道を塞ぎ、通れないようにしていたのだ。その指揮官らしい人物は老兵ではあるが、その風格から地位のある人間なのが分かる。
「そこをどいて下さい!」
「ならん! 暴動を止めろと命令が出ている。通す訳にはいかんのだ!」
要求...むかしむかしの物語 王女と召使 第8話
matatab1
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その齢十四の少女は手の中にある小瓶を握りしめる。
彼女は走りだした。向かう先は。
街はずれの小さな港
一人たたずむ少女
この海に昔からある
ひそかな言い伝え
「願いを書いた羊皮紙を」
「小瓶に入れて」
「海に流せばいつの日か」
「思いは実るでしょう」...姫という鳥 城という鳥籠 -悪ノシリーズ- 2/2
ヘルケロ
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リンが様子がおかしかった。
話しかける度にビクビクするし、私に近づこうとしなかった。
レンに聞いてもわからない。
のでレンに聞いてこさせた。
「リン何かあった?」
「べ、別に?」
「マスターには言わないからさぁ。」
「……猫拾った。」
「へぇー。」
「黙っててね?」...(non title)
ku-yu
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※ 注 意 ※
当小説はmothy_悪ノP様の「悪ノ娘」、「悪ノ召使」の二次創作です。
mothy_悪ノP様には全く関係はございません。
言うなれば勝手な妄想です。
独自の解釈を多く含みますので、それを嫌悪する方は見ないことをお勧め致します。
何か問題等ありましたら言ってください。...【二次小説】悪ノ国ノ物語~Ⅰ~
MiKё
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朝、寒くて目を覚ました。
ベッドから起きてカーテンを開けると、隣の家の屋根が真っ白。
驚いて、隣のベッドで寝ていたレンを起こす。
「レン、レン!起きて!」
「ん…何だよリン…まだ早いじゃんか…」
一体どうしたのかと眠そうにしながらも起きるレンに、リンは笑顔で窓を指差す。
「見て!雪が降ったの...音雪-otoyuki-
咲宮繿
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-蒼-
甘いハチミツと爽やかなレモンティーの香りで、レンは目を覚ました。
天井に目を向け、何か違和感のようなものを覚えた。天井は灰色の低い天井などではなく、明るい白く整えられたキレイな天井であった。
傍らで二人のリンがお菓子をつまみながら、レモンティーを楽しん...鏡の悪魔 11
リオン
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どうして本当のことが言えただろう。
奇麗な夢
いつの間に眠っていたのだろうか。
あまり広くない研究室の真ん中、薬缶のシューシュー鳴る音で目が覚めた。
旧時代的なストーブが赤い炎を抱いている部屋は暖かい。でも、何だか置いてけぼりにされているようだ。
窓の外は雪でただ、ずっと白い。
生まれてからというも...奇麗な夢
榎ノ木
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-悪魔-
ずるずると遅いながらもゆっくりでも、少しずつその場から離れようと、ランはレンを引きずりながら移動していた。ある程度離れた場所に用具箱を見つけると、その陰に隠れて少しだけ魔法を使ってみた。と、いっても、眠っている相手を起こす魔法など無いから、そこは、対象物の重...鏡の悪魔Ⅲ 16
リオン
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-終戦-
手が、震えてしまってどうすることもできない。
自分がしたことを理解するのに、しばらく時間を要した。
嫌な汗が背中を伝い、落ちていく感覚があった。それから何があったのかを考えていたが、自分の立っている場所から下をのぞき見て、やっと何があったのかを理解した。...鏡の悪魔Ⅲ 17
リオン