ブクマつながり
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夢の中で、わたしはタイスになっていた。場所はタイスの部屋。中央に大きなベッドが置いてあって、わたしはそこに座っている。
どうしてわたしは、ここにいるのだろう? 考えてもわからない。わたしは立ち上がって、部屋の中を歩き回った。がらんとしていて、ほとんど何もない。壁際に、大きな鏡がかかっているぐらい...ロミオとシンデレラ 第十四話【鏡よ、答えて】
目白皐月
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変な時間に起きたせいか、昼にまた眠りこんでしまい、目が覚めたのは午後九時だった。……寝過ごさなくてよかった。これで寝過ごさなくてってのも変だけど。あたしは、携帯を取り上げると、登録してあった先輩の携帯の番号を選んだ。コール数回。先輩が出る。
「もしもし、ハクちゃん?」
「先輩、お久しぶりです」
...ロミオとシンデレラ 外伝その九【突然の連絡】後編
目白皐月
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ハク姉さんとひと悶着あってから二日後。放課後に、鏡音君がわたしに声をかけてきた。
「巡音さん、ちょっといい?」
「……鏡音君、どうしたの?」
例の「好き」と「嫌いじゃない」の話のおかげか、わたしたちは、また普通に話せるようになっていた。……ミラーハウスでのことは事故だったと思って、忘れた方がいい...ロミオとシンデレラ 第二十七話【お芝居には恋愛が必要】前編
目白皐月
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「~~♪…」
「……よし、OK!この調子なら大会優勝も狙えるかもね!」
ここは合唱部。
ここでは1か月後に予定されている合唱の県大会に向け、練習していた。
その中でも期待されているのが始音カイト。
彼は部内でもトップクラスの実力を持っており、彼自身歌うことは大好きで、合唱部に入った理由も勿論「毎日た...人柱Alice 3
アストリア@生きてるよ
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わたしが幾ら悩んでいても、朝はいつもどおりやってくる。憂鬱な気分で起きだしたわたしは、洗面所で顔を洗うと、部屋に戻って制服に着替えた。鏡を見ながら髪を梳いて、リボンを結ぶ。学校……行ったら、鏡音君に会うわよね。同じクラスだもの。
どうしてわたしは、鏡音君に迷惑ばかりかけ倒しているんだろう? 事の...ロミオとシンデレラ 第二十六話【アングルド・ロード】前編
目白皐月
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僕がずっと前から思ってる事を話そうか。
ずっと前から思ってたけど、ずっと言えなかった言葉。
「ねぇ、僕はずっと前から、いや、今でもグミヤの事―――…」
【はんたいことばの愛のうた 4】
「好き、だから…」
小さく呟いた言葉。
それは、ゆっくりと屋上の風に乗っかって―――、
「え…と、」
…グミヤの耳...はんたいことばの愛のうた 4
芽莉沙
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向こうに行く準備が整うまでの間、俺とリンは、俺の家で過ごすことになった。すぐにでも発ちたかったけど、やらなければならないことがある。姉貴も交えてどうしたらいいかを話し合い、次の日から行動を開始した。
俺と一緒に向こうで生活するとなると、当然、今の学校は辞めなくてはならない。相談の結果、リンは向こ...アナザー:ロミオとシンデレラ 最終話【この瞬間よ永遠なれ】
目白皐月
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ついに調理実習だぜ! いやっふー!
楽しみだったんだよねー♪
そういえば先生誰だっけ?
てか何を作るんだっけ?
1人で浮かれてたらミクが来た。
ミ「りんちゃぁーん! 調理室行こう!」
リ「うん!」
調理実習のため、調理室に向かった。
リ「ミクって料理上手?」
ミ「んー全くわかんないww」...授業? なにそれ、おいしいの? 5
シベリア
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あいさつをして、2時間目が始まった。
が「え~では、教科書20ページを開いて問の1を進めてくれ。」
問題やるのか…。
できるかなー数学も苦手なんだよね…。
20ページを開いてみた。
どんな問題だ?
問1 計算をしなさい
(1) 2(3a+2b)-5(a-b)
(2) -2(3a+4b-2)-3(4-...授業? なにそれ、おいしいの? 2
シベリア
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私は魔女。人間とは違う。私は魔女。
退屈・・・。この鏡の中の世界には誰もいなくて・・・あるのは静寂だけ・・・。私は魔女。この鏡の中に住まう魔女。苛々してきたから、鏡の中のものをかたっぱしに壊し始める。あぁ!!もぅ!!先代様は私が継いだ途端に鏡...私は魔女。人間ではなく魔女。1
なのこ
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わたしは現在、クオと喫茶店で作戦会議の真っ最中。作戦というのは当然、リンちゃんと鏡音君の仲を親密なものにするためのものだ。
同じクラスとはいえ、基本的に二人は全くといっていいほど話す機会がない。というより、リンちゃんはわたし以外と喋ることがほとんどないのよね。だから何としてでも、二人っきりにして...アナザー:ロミオとシンデレラ 第七話【作戦会議中のミク】
目白皐月
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「だってフレディって、何の役にも立ちそうにないじゃないか。確か定職ついてなかっただろ、あいつ。そんな甲斐性なしと一緒になっても、幸せにはなれないんじゃないの?」
鏡音君はきつい口調でそう言った。役に立ちそうにないって……。確かにタクシー捕まえられなくて、母親と妹に呆れられたりしているけど……。どう...ロミオとシンデレラ 第二十九話【愛される権利】後編
目白皐月
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
外伝その二『ママ、かえってきて』から、三年後のハクを書いたもので、こちらもハク視点となっています。
三年生になったので、少し漢字が増えました。
【やさしいうそと、むごいうそ】
あたしたちの、新しいママだという、カエさんという人が来て...ロミオとシンデレラ 外伝その三【やさしいうそと、むごいうそ】
目白皐月
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注意書き
これは拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
リンの長姉、ルカの視点で、彼女が十五歳の時の話です。
この話に関しては、『ロミオとシンデレラ』を第十四話【鏡よ、答えて】までと、外伝【わたしはいい子】を読んでから、読むことを推奨します。
なお、ルカさんの性格は、【わたしはいい子】の時...ロミオとシンデレラ 外伝その七【ある日のアクシデント】前編
目白皐月
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ミュージカル『RENT』は、不思議な作品だった。『ラ・ボエーム』とは、同じようでいて、違う。『ラ・ボエーム』が十九世紀半ばのパリを舞台としているのに対し、『RENT』の舞台は二十世紀末のニューヨーク。百五十年でこんなに色々変わってしまったのかと思えるところと、ああ、やっぱり同じ話なんだと思えるとこ...
ロミオとシンデレラ 第十七話【一歩一歩、一言一言】
目白皐月
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下駄箱まで来て、靴を取り出そうとした時、わたしは運転手さんにメールを送っていないことに気がついた。あ……しまったな。しばらく、お迎えを待たないといけない。
わたしはため息をつくと、鞄を開けて携帯を探し、メールを送信した。その時だった。
「良かった……まだいたんだ」
「え……?」
わたしは驚いて...ロミオとシンデレラ 第三十話【ガラテアはピグマリオンに恋はしない】
目白皐月
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月曜の朝、登校してきた俺は、学校の校門のところに、見覚えのある車が止まっているのに気づいた。あれは巡音さんのところのだ。
見ていると、運転手さんが車から降りて後部座席のドアを開けた。車の中から巡音さんが出てくる。運転手さんは一礼して車に戻り、そのまま発進して行った。巡音さんは、校舎に向けて歩き出...アナザー:ロミオとシンデレラ 第九話【凍るか、燃え上がるか】
目白皐月
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わたしは、鏡音君と一緒に駅へと向かった。来る時は緊張で周りの景色を見ることもできなかったけれど、帰りの道はもう少しゆったりした気分で歩けたので、歩きながら辺りを眺めることができた。この辺りは住宅街なのか、小さな家がずっと並んでいる。
「姉貴の言うことは、あんまり真に受けない方がいいと思うんだよね」...ロミオとシンデレラ 第十九話【死ぬ前に一度は生きてみたい】前編
目白皐月
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「ハク姉さん……」
「どーせ、あたしは厄介者~」
今度は歌いだした。うちで日常的にお酒を飲むのはお父さんぐらいだし――お母さんとルカ姉さんは、おめでたい時にワインかカクテルをグラス一杯飲むぐらいだから――そのお父さんにしても、前後不覚になるまで飲むなんてことはまずやらない。だから人が酔っ払った時、...ロミオとシンデレラ 第十九話【死ぬ前に一度は生きてみたい】後編
目白皐月
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注意書き
これは、拙作「ロミオとシンデレラ」の外伝です。
オープニングはミクが高一の時で、そこから子供のころを回想するストーリーとなっています。
【ミクの思い出】
日曜日。わたしは、ふと思い立って、部屋の片づけをすることにした。わたしの家では定期的にお手伝いさんが掃除をしてくれるのだけれど...ロミオとシンデレラ 外伝その五【ミクの思い出】
目白皐月
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日曜日がやって来た。今日は外出の予定はない。家で本でも読むか、オペラのDVDでも見てようかな……そんなことを考えながら、わたしは階下に降りて行こうとして、凍りついた。食堂から、お父さんとお母さんの話し声が聞こえてくる。ううん、これは、話しているんじゃない。
……喧嘩、しているんだ。
「朝からそん...ロミオとシンデレラ 第十話【嵐】
目白皐月
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鏡音君のお姉さんが作ってくれたパスタは、とても美味しかった。鏡音君はああ言っていたけど、多分謙遜していたのだろう。
そのお姉さんは、わたしのお弁当箱のおかずを「美味しい」と感激しながら食べていた。鏡音君がやや呆れた表情で、そんなお姉さんを見ている。
ハク姉さんの先輩ということは、ルカ姉さんとハ...ロミオとシンデレラ 第十八話【何がわたしの心をひきつけるの】前編
目白皐月
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何とか電車には間に合い、遅刻もせずに済んだ。ああ良かったと思いながら教室に入る。……あ。
巡音さん、今日は来ているんだ。自分の席で、今日も本を読んでいる。もう大丈夫なんだろうか。
「おはよう、巡音さん」
声をかけると、向こうは驚いた表情でこっちを見た。弾みでぱたんと本が机の上に落ちる。……ガル...アナザー:ロミオとシンデレラ 第十二話【雪の中で咲こうとする花】
目白皐月
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クオの家で映画を見てから、数日が経過したある日。俺は学校の図書室で『RENT』のサントラを聞きながら、歌詞をチェックしていた。この前見た舞台は字幕がいいかげんで、話の意味を取りづらかったんだよな。そんなわけでネット通販でサントラを購入したんだが、歌詞カードがついていなかった。幸い、歌詞を全部載せて...
アナザー:ロミオとシンデレラ 第六話【檻の虎に太陽を見せて】
目白皐月
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図書館に着いたわたしは、座席に座ってひとしきり勉強した。集中しきっていたため、時間の経過に気づかず、気がつくと閉館の時間になっていた。いけない、もう外は暗くなりかけている。荷物をまとめ、わたしは帰路についた。
帰り道では、行きのような妙な人に遭遇することはなく、家まで真っ直ぐにたどり着いた。玄関...ロミオとシンデレラ 外伝その七【ある日のアクシデント】後編
目白皐月
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
レンの姉、メイコの視点で、外伝その八【あの子はカモメ】外伝その九【突然の連絡】の続きです。
この作品に関しては、『アナザー:ロミオとシンデレラ』を第二十三話【真実はいつも少し苦い】まで読んでから、読むことを推奨します。
【シンデレラ...ロミオとシンデレラ 外伝その十【シンデレラごっこ】前編
目白皐月
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巡音さんが言葉どおり『ピグマリオン』を貸してくれたので、俺は休み時間や、部活が始まるまでの短い時間に、最初の方を読んでみた。……映画を見た時はそこまで感じなかったけど、ヒギンズ教授って相当性格イタくないか? まあ、そこがギャグとして機能してるんだろうが……。お前はだだっ子かよ、と突っ込みたくなる部...
アナザー:ロミオとシンデレラ 第二十五話【自分はありふれた人間】
目白皐月
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その日の昼、ミクからメールの着信があった。見ると、「今日のお昼、一緒に食べない?」と書かれている。ミクからお昼のお誘いか……。
ミクは大体いつも、昼飯は巡音さんと一緒に自分の教室で食べている。故に、俺に声がかかったということは、向こうに何か用事が入ったんだろう。……俺っていざという時のためのキー...ロミオとシンデレラ 第十二話【クオの当惑】
目白皐月
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注意書き
これは拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
レンの姉、メイコの視点です。
この話に関しては、『ロミオとシンデレラ』第十六話【道は歩くに連れてできるもの】まで読んでから、読むことを推奨します。(『アナザー:ロミオとシンデレラ』も第十三話【来て一緒に歩こう】まで読んだ方がいいかも)
...ロミオとシンデレラ 外伝その八【あの子はカモメ】前編
目白皐月
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俺は、喫茶店でミクと向かい合っていた。言わずもがな、ミクに「作戦会議よ!」と引っ張り出されたわけなんだが。というか、何で喫茶店なんだ?
ちなみに、作戦というのは言わずもがな、この前失敗した「レンと巡音さんをくっつけよう作戦」のことである。理由はさっぱりわからないが、ミクは未だに燃えているのだ。
...ロミオとシンデレラ 第八話【作戦会議中のクオ】
目白皐月
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巡音さんと話をしたその日の夜、俺は姉貴に日曜の予定について訊いてみた。
「日曜? 出かける用事も無いし、家にいるつもりだけど」
それが、姉貴の返事だった。
「じゃ、その日は家にいるんだ。俺、日曜に学校の友達を家に呼ぼうと思ってて」
「邪魔だから出かけててほしいってこと?」
「逆。家にいてくれ」
...アナザー:ロミオとシンデレラ 第十三話【来て一緒に歩こう】
目白皐月
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いいものなのか、嫌なものなのか。作品ごとに褒めてあったりそうでなかったりで、わたしには余計にわからない。
「うーん……俺とユイは中三の時に委員会が一緒で、それで仲良くなって、秋頃にユイが『好きでした』って言ってきて、それでつきあおうかって話になったんだけど、何せ中三の秋だろ。受験に追われてろくにデ...ロミオとシンデレラ 第二十三話【恋とはどんなものかしら】後編
目白皐月
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月曜の朝、学校に行く前にハク姉さんに声をかけてみようかと思ったけれど、誰かに見咎められるのが嫌で、声をかけることはできなかった。お父さんやルカ姉さんとばったり会って、何をやっているのか訊かれたら答えづらいし……。
ちょっと暗い気分でわたしは朝食を食べ、学校に向かった。教室に入り、自分の席に座る。...ロミオとシンデレラ 第二十話【どうか扉を開けさせて】
目白皐月
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土曜日の夕方。俺が自分の部屋で課題を片付けていると、携帯が鳴った。かけてきたのは……クオか。
「もしもし」
「よう」
「どうした?」
「ああ……えっと、お前、明日暇か?」
なんか歯切れ悪いな。いつもならもっと立て板に水みたいに話すのに。
「暇だよ。晩飯作らないといけないから、それまでだけど」
...アナザー:ロミオとシンデレラ 第三話【何故ならそれこそが恐怖だから】前編
目白皐月
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姉貴に『エンダーのゲーム』を渡して、俺は学校へ向かった。学校に着いて教室に入ると、いつものように自分の席で本を読んでいる、巡音さんの姿が目に入った。……どうしたもんかなあ。向こうは本に集中しているので、俺のことには気づいてない。けど、ここで声をかけないのは、それはそれで「昨日のことを気にしてます」...
アナザー:ロミオとシンデレラ 第二十三話【真実はいつも少し苦い】後編
目白皐月
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「せんぱーい、幾らなんでも悪ふざけが過ぎますよ! あたし、一瞬本気にしたじゃないですか!」
ラブホテルを出て目的地に向かう最中、ハクちゃんはそんな文句を私に言っていた。
「あっはっは、あの時のハクちゃんの顔、見ものだったわ」
「もう、先輩って悪趣味!」
「心配しなくても、私はストレートだってば」
...ロミオとシンデレラ 外伝その十【シンデレラごっこ】後編
目白皐月
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その数日後の部室で、私はハクちゃんとたまたま二人になった。
「そう言えばハクちゃんのお母さん、珍しいわね。普通、レギュラー陣でもなかなか応援に来ないのに」
スポーツに力を入れているエリート校なら親も気合いが入るだろうけど、うちのような平均レベルの高校では、レギュラーでも応援に来るのは少数派だ。レ...ロミオとシンデレラ 外伝その八【あの子はカモメ】後編
目白皐月
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例のしつこい子も、それ以上後を追いかけてくるようなことはなかった。まともな感性の持ち主なら、この後はむしろ逆方向へ行くだろう。しつこい子はともかく、ユイとチカはまともなはずだし。
充分距離を取った辺りで、俺は巡音さんの肩を抱いた腕を外した。巡音さんはまだ顔が赤い。
「……ごめん、変なことに巻き込...アナザー:ロミオとシンデレラ 第二十話【青春の光と影】前編
目白皐月
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「ついでにさ、あの人は変なところでプライドが高いから、目の前にいるイライザのことをちゃんと認めてあげられないんだよ。イライザのことをいつまでも花売り娘ってバカにしてるけど、家のあれこれを任せてたってことは、本当は信頼してたってことだろうし」
ただの花売り娘だったら、あんな短時間でちゃんとした貴婦人...アナザー:ロミオとシンデレラ 第二十六話【望むのはどこかの部屋】後編
目白皐月
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折角巡音さんとまともに話せたと思ったのに、帰宅後に姉貴が余計なことを言い出したせいで気分がぶち壊しだ。その日の夕食の際、俺は姉貴と全くといっていいほど口をきかなかった。大体、この状況で話せることなんかあるわけない。姉貴も一言も喋らなかったので、おそろしく寒々しい食卓となった。
そして翌日。姉貴の...アナザー:ロミオとシンデレラ 第十七話【暗い表情の君を見たくない】
目白皐月
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月曜の朝、わたしが教室に入ると、リンちゃんが鏡音君と話をしていた。見た感じだと、前よりもリンちゃんは打ち解けてきているみたい。……やったわ! クオにはお前の作戦全然効果なかったじゃないかとか言われたけど、なんだかんだで距離は縮まっていたのね。
わたしがリンちゃんにおはようと声をかけると、鏡音君は...アナザー:ロミオとシンデレラ 第十八話【ミクの奔走】
目白皐月
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*グミ*
「好きっ!」
私は自分と幼馴染にして、外見までそっくりなグミヤにそう告げた。 俗に言う〝告白〝というやつだ。まぁ、「両想いかもしれない」と、いう恋をしている女の子独特の思いを持って言ったのだが・・・ 例え、両想いだとしても、付き合うのは無理だろう。
なぜなら私は―――
『十面相』
なのだか...【私(君)の中の】十面相【住人は】
姉音香凛
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四人で遊園地に行った翌朝、俺は落ち着かない気分で目覚めた。今日は月曜だ……。そういや、『憂鬱な月曜日』って歌、あったなあ。断っとくけど、死にたいわけじゃないぞ。
ベッドから抜け出して一階に下りる。洗面所に行って顔を洗い、居間へ行く。台所では、姉貴が朝食の支度をしていた。
「おはよう、姉貴」
「お...アナザー:ロミオとシンデレラ 第二十三話【真実はいつも少し苦い】前編
目白皐月
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「……生きた人間が出てこないお芝居は演じにくい?」
ちょっとふざけて、わたしは鏡音君にそう訊いてみた。
「人生を描くには、あるがままでもいけなくて、かくあるべきでもいけなくて、自由な空想に現れる形じゃないといけないんだよ」
あ……わかるんだ。何だか嬉しい。
「お芝居には恋愛が必要なのよ」
そこ...ロミオとシンデレラ 第二十七話【お芝居には恋愛が必要】後編
目白皐月
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お母さんはまだ心配そうだったけれど、わたしはもう大丈夫と何度も言って、この日は学校に行った。
学校に着いて教室に入ると、わたしはいつものように持ってきた本を広げた。そう言えば、この本は何だったっけ……。思わず本の表紙を確認してしまう。ガルシンの短編集だった。……なんでこんな本、持って来ちゃったん...ロミオとシンデレラ 第十五話【その耳に届くただ一つの調べがあれば】
目白皐月
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
リンの次姉、ハクの視点で、彼女の実母が出て行く前~出て行った後のエピソードです。
年齢を考えてひらがなばかりにしたので、読みにくいかもしれませんが、ご了承ください。
【ママ、かえってきて】
さいきん、ママがなにかおかしい。ぜんぜん...ロミオとシンデレラ 外伝その二【ママ、かえってきて】
目白皐月
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その日の夜、俺は晩飯の後で、姉貴に訊いてみた。
「今日、クオから映画のDVD借りてきたんだけど、姉貴も見る?」
「何借りたの?」
「『ブレインデッド』ゾンビ映画。ピーター・ジャクソン監督」
ちなみに、姉貴は変な映画が結構好きだったりする。弟の俺でも、姉貴の映画の趣味をはっきりとは把握していない。...アナザー:ロミオとシンデレラ 第五話【ブレインデッド】
目白皐月
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火曜日。めまいは治まったので、学校に行こうとしたのだけれど、お母さんに止められてしまった。
「昨日倒れたのよ。リン、大事を取って今日も休みなさい」
「……もう平気よ」
「いいから、今日は家にいなさい。学校には連絡しておくから」
結局、わたしは休むことになってしまった。何だかちょっと後ろめたい。朝...ロミオとシンデレラ 第十三話【わたしの魂は空虚で】
目白皐月
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わたしが立てた作戦は完璧だった。まず、わたしがリンちゃんを「映画でも見ない?」と言って家に呼ぶ。そして同じ日に、クオがやっぱり映画を口実にして、鏡音君を連れてくる。後はわたしとクオが喧嘩をする振りをして、二人だけ部屋に残して出て行ってしまうのだ。これで、リンちゃんと鏡音君が部屋の中で二人っきり、と...
アナザー:ロミオとシンデレラ 第四話【ミクの不満】
目白皐月
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夏風が、窓を優しくノックする。
私はその窓を開けてみると、何処からか迷い込んだ鳥の声が聞こえる。
私は、読みかけの本を置き、
「何処から来たんだい?」
と、笑った。
午後三時。
案外シンプルな世界でいう、おやつの時間。
私は、心にも“目隠し”した。
【想像フォレスト】イアとドラマと「JOYSOUND...【想像フォレスト】イアとドラマと「JOYSOUND石化中」【原曲者に謝れ】
雪りんご*イン率低下